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アンバーとは

アンバーってどんな香り?

オリエンタル系の甘く重たい香りとして秋冬によく使われることが多い「アンバー」。香りの成分に定義はなく、温かみのあるムスキーで甘い深みのある香りの中に、パウダリーやスパイシーを感じます。神秘的で、古来から神聖な儀式でお香などにも使われています。

アンバーって琥珀なの?

英語のAMBERは日本語で「琥珀」となるため、多くの方が、あのジュラシックパークに出てくる虫が入っている化石の琥珀の香りだと想像してしまうでしょう。実はアンバーは「ファンタジー」の香り。自然界では存在しません。アンバーグリスの香りを模して作られた人工の香りをアンバーと呼び、複数の香りを組み合わせた合成香料で作られています。
ですが、琥珀のような木や植物の樹液が樹脂化して固まったものも香料として存在します。これらは植物カテゴリーとなり、「バルサム」と呼ばれます。また、アンバーグリスの場合はクジラの分泌物が主成分のためアニマリック(動物系)の分類となります。また、蜂蜜やバニラのような黄色くて甘い香りの雰囲気を”琥珀色”と表現することもあり、アンバーというジャンルがとても複雑なことは間違いないです。

アンバーとアンバーグリスの関係

アンバーのアーコードの誕生には、アンバーグリス(灰色の琥珀)の存在があります。
モテ香水やフェロモン香水として有名なアンバーグリスですが、始まりはアラビアで古くからこの妖艶な香りで人々を魅了し、クレオパトラも愛用していたともいわれています。また、中国では竜の涎(りゅうのよだれ)と呼ばれお香などに用いられていたことから、日本では室町時代の書物には竜涎香(りゅうぜんこう)として載っています。
そんなアンバーグリスですが、その成分はなんと、マッコウクジラの消化官に溜った結石の塊なのです。昨今、捕鯨が禁止となりクジラから直接取り出すことはほぼ不可能となり、その希少価値は金よりも高いと言われるようになりました。そのためクジラが吐き出したものを海岸で見つけて一攫千金を狙うアンバーグリスハンターがニュージーランドでは岸辺で縄張り争いしているなんて話も。たまに拾った方が世界的ニュースになったりしますので、散歩していたら偶然犬が見つけたなんてラッキーもあるかもしれません。
しかし、拾いたてのアンバーグリスは磯臭い、糞や脂肪みたいな匂いなのだそうで、昔の人が偶然これを手に入れ良い香りになることにたどり着いのは本当に謎としか言いようがありません。


とにかく超激レア香料であるアンバーグリス。そんなに手に入らないなら作ればよい!と思うのが人間が考えることではないでしょうか。ここ数十年、香料研究は飛躍的に進歩し、とうとうアンバーグリスの香りを模した合成香料の開発に成功しました。この香料は完成とともに瞬く間に世界中の香水に使われるようになりました。そのため、香水業界ではこの香りのためのグループを新たに設ける必要があり「アンバー」と名付けられました。昨今ではアンバーグリスの香りの成分のアンブロキシドだけを植物から抽出した香料も大変人気があります。 まだアンバーグリス自体が解明されていないことも多く、今後の研究で”媚薬成分”なんてものが本当に見つかるかもしれません。

Wmpearl, CC0, via Wikimedia Commons
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momo
香の森の管理人「momo」です。某フレグランスショップの店員として勤めておりましたが、現在はWebデザイナーとしてHP製作を生業とする。香水沼にハマるきっかけは、クルジャンのバカラルージュ540で今でも愛用。香水の魅力を分かりやすく伝えたいと思い立ち図鑑のようなサイトを目指しています。こつこつと時間を作ってまとめていますので、香水探しのお役に立てれば幸いです。